その日から咬めるインプラント治療

近年のインプラント治療ではインプラントを植立した日から咬めるようにする方法も出現してきました。これには幾つかの条件が必要です。基本的に無歯顎のかたが対象となります。上顎、または下顎に全く歯がない状態の方に、インプラントを4本ないし6本、8本植立をして、一時的に既存の義歯を加工し、その日から固定性の義歯にするものです。ここで全く歯の無い方と言っても、歯周病やひどい虫歯の方は手術の当日または事前に抜歯し、仮義歯を制作、使用していただきます。そしてその義歯を利用して手術後直後に固定性の義歯を患者様に装着しますので。患者様はその日から 固定された歯で食事や会話が出来るようになります。最近では4本のインプラントを使用して片顎12歯を支える方法も登場し、臨床で応用されております。この方法はオールオンー4という方法です。このコンセプトに対応するには インプラントの植率時にしっかりとした固定が得られることが条件です。一般のインプラントより少し長いものが使用できることが条件です。この方法をの利点は その日から固定式の義歯で咬むことが出来る。インプラントが少ない為費用を抑えることができるなどの利点があります。
長年不適合な義歯や高度な歯の崩壊している患者様には処置した日から、自由に会話や食事が出来ることは大きな喜びと考えます。3_0_main_image.jpg
この方法の処置費用は最終的な固定性義歯の制作費を入れて。
上顎 180万円 下顎 180万円  上下顎 340万円となります。
処置の前には十分な診査を行ないます。

2006年3月31日 4:12 PM  カテゴリー: インプラント関連

専門医によるチーム医療

 一般の歯科医の出来ることは限界があり、一人ではとても大きな手術や複合的な治療には限界があります。私も数年前までは一人でかなり何でも行なってきましたが。私の力量の限界も感じ、何人かの専門医の力を借りるようになりました。その一人には 矯正の専門医の 山田先生。彼はご自身でも開業されてますが 大学卒業後 日本でも高名な矯正専門医の下、研修を重ね、現在に至ります。幾つかの歯科院での矯正治療をサポートし、2年前から私のところでも治療をお願いしています。月1日だけですが、多くの患者様を担当しており、私の歯科治療の審美部門の相談も行なっていただいております。
もう一人は 麻酔科の山口先生、彼は大学でも教鞭を取り、なおかつ大学病院でも麻酔科専門医として活躍されてる先生であります。特に私のところで大きな手術を行なうときに、麻酔医として患者様の全身管理と鎮静法を処置していただいております。私の専門は口腔インプラント認定として、一般手術や インプラント手術を専門としていますが。当歯科院の院長として、一般歯科治療中心に行なっております。もともと私は歯科技工のライセンスも取得してる為補綴(患者様の口腔内へ装着物、冠や義歯の制作
)の専門的なことも学びました。そして 歯科口腔衛生を担当する歯科衛生士が4名が、パートを含め勤務しており、各症例に応じてチーム医療の体系を持って対応してます。この専門家同士の協力は、私の歯科医院の治療には、現在欠かせない事となっております。現在このようなチーム医療体制、大学病院など大規模施設では当たり前のようになってますが、私どものような 歯科診療所ではまだ新しい試みといえますが、今後は多くの診療所でも行なわれていくことと思います。この背景には患者様の治療ニーズが高くなった事も一つにはありますが、医療の高度化が多くの専門医を生んだ結果と思います。
DSC00881.JPG
画面は麻酔科医による静脈内鎮静法により、インプラント治療を行っている状態。
麻酔医 手術担当医 歯科衛生士2名による。4人体制でのチーム医療を行なってます。

2006年3月28日 4:20 PM  カテゴリー: 歯科技術情報

Well Come To All Ceramic Wold

ようこそ、オールセラミックスの世界へ
 今審美歯科世界は新歯科材料の導入が盛んに行なわれています。特に 従来の金属焼付け陶材冠
メタルボンドクラウン から酸化アルミナスに移行し、今は更に強度の高い 酸化ジルコニアへと材料の推移があります。これらのマテリアルは何を変えたかといえば、従来のオールセラミックス修復は単独歯のみにしか対応できない状態でした。1歯から数歯欠損のブリッジには対応できる強度を持っていませんでした。このことは 金属アレルギーなどを持った患者さんに対してメタルフリーとしての装着物の限界を示すものでしたが、酸化ジルコニアの登場で、真のメタルフリーの時代がやってきました。金属を使用しない利点とは?
1 金属イオンの流出による 歯肉の黒変がない。
2 金属アレルギーの心配はない。
3 冠の辺縁が 露出しても審美感を損ねない。
4 印象や形成時に歯肉深く冠の辺縁を設定しなくても良いので 精密な型取りが容易になる。
5 色調の再現性がいいため 自然な色合いの修復物が出来る。
6 高強度の為破損 破折が少ない。
7 比重が小さい為軽くて強固な装置が制作できる。
8 メタルや天然歯に比較してプラークやステインの付着が少ない。
9 永久的に色調が安定でしている。 変色がない。
以上のような利点があると考えられます
DSC_0056.JPG
上記の画像は国内で初の100パーセント酸化ジルコニアによって制作された下顎前歯4本ブリッジです。 当院ではこのように歯科学的根拠に基づいた安全で生体に優しい歯科材料を提供しております。

2006年3月28日 2:45 PM  カテゴリー: 一般的な歯科情報

患者さんに優しい治療の為に

 先週土曜日は朝1番から大きな手術がありました。上顎にインプラントを多数処置するケースでした。大学病院から麻酔科の専門医を招き静脈内沈静下(全身麻酔ではありません、意識下の処置です)で患者さんには眠ってるいただいてる間の処置でした。時間は2時間あまりでしたが、目を覚ました患者さんの最初の一言は「すごく楽だった!」の言葉でした。私に「先生、どのくらい時間が起ったの?」との問いかけに「2時間あまりですよ。」と答えるとびっくりしてました。この間患者さんは私たちの問いかけに応じて口を開けたり、閉じたり反応してくれますが、ご本人は全く覚えてないようでした。この処置は脈拍や心拍数、呼吸数などをモニター下にて監視して行ないますが、全く安定した状態でした。これは患者様に心因的なことも当然ですが肉体的にストレスをかけない事を意味します。本日消毒の為に来院しましたがほとんど腫れも痛みもないようでした。この方は10数年前に他の歯科院でインプラント治療をされた方です。現在もいい状態で機能してますが、そのときの手術が痛かったようで、今回の治療には少し抵抗があったようですが、今回は全くそのときのイメージとは違っていたようでした。従来はこのような麻酔科の専門医の処置は大学病院のみでしたが、今では一般歯科院でも受けられる事になりました。私もこの方法は患者さんにとってとても楽な治療方法だと改めて思いました。

2006年3月13日 3:41 PM  カテゴリー: 未分類

インプラントVSブリッジVS入れ歯の治療比較

■従来の治療方法とインプラント治療の比較について
インプラント fig1.jpg
良い点
噛む力が天然の歯の80%位まで回復します。(違和感はほとんどありません)
歯肉の内側から天然歯が生えているように見えますので、審美性に優れています。(ケースによっては天然歯とほとんど区別がつかないような治療が出来る場合もあります。)
インプラントはそれ自体で顎の骨に埋め込んでいますので(自立式ですので)両隣の歯を削って支える必要はありません。
留意点
インプラントを顎の骨に埋め込むための手術が必要です。
手術が出来ない症例もあります。
治療費用
インプラントは健康保険の適用外ですので、自由診療となります。
各人の手術の難易度が違うこと、また、治療の範囲により埋め込む本数が変わります。必要な費用は事前の診断により算定されます。
ブリッジ fig2.jpg
良い点
固定式のため装着しても違和感はあまりありません。
部位(場所)によっては、天然歯と区別なく見えることあります。
留意点
ブリッジはその名のとおり、失われた歯を両隣の歯で支える仕組みになっていますので、1本の歯を治療するために、たとえ両隣の歯が健全であっても削ることが不可欠となります。
支えとなる両隣の歯に負担がかかり、将来、その歯を失う確率が健全歯と比べて高くなります。
ブリッジの真ん中の部分(歯根がない部分)は歯肉との間に隙間が出来て清掃しにくくなります。(口腔衛生の状態が不衛生になる確率が高まります。)
空気がもれて発音がしにくいとか、相手からは聞き取りづらくなることがあります。
治療費用
健康保険適用の材料を用いれば、保険の適用範囲となります。
使用材料が自由診療の材料となる場合は自由診療の費用となります。
入れ歯 fig3.jpg
良い点
ブリッジの治療では行えないような多くの歯を失った場合(総入れ歯のような)にも用いることが出来ます。
隣の歯を削る必要がありません。(ケースによっては隣の歯にバネのようなもので固定する場合もあります。)
留意点
バネによりブリッジの場合と同じように、隣の歯に力の負担がかかることがあります。
噛む力は天然歯に比べて30%位に減少します。
固定式ではないため、食事中や会話の最中にはずれたりすることがあります。
取り外して入れ歯の手入れをする必要があります。
入れ歯と口腔粘膜の間に食べ物が挟まったりして、衛生状態が悪くなることがあります。
治療費用
健康保険適用の材料を用いれば、保険の適用範囲内となります。
使用材料が自由診療の材料となる場合は自由診療の費用となります。
此処の掲載記事は専門機関からの文章並び写真をお借りしております。

2006年3月2日 9:58 AM  カテゴリー: 一般的な歯科情報

ここまで出来る歯周治療!

 本日は、6ヶ月前に高度の歯周病で歯周組織再生治療を行った患者さんの結果を再診査しました。右下第一、第二大臼歯に対して手術を行ないました。この患者さんはその前に右の対合部分にはインプラントによる人工歯根を処置しましたが、かみ合わせの歯が歯周病でぐらぐらして傷みはじめた為にせっかくのインプラント治療による咬みあわせが出来なくなりました。患者さんはこの歯も抜いてインプラントにしたらとのことでしたが、抜く前に最善の措置をし、自分の歯を残そうと患者さんを説得し、歯周組織再生療法を行ないました。6ヶ月の結果ですが、動揺していた歯は全く動かなくなりその周囲の欠損していた骨は再生して歯肉の炎症もなく素晴らしい状態に回復しておりました。もしも、あの時インプラントにするためこの歯を抜いていたら、患者さんには費用的にも大きな負担をしていただく事になっていたと思うと、私も最良の治療が出来たと思います。もちろんこの再生治療も 保険適用外ですので、自費負担をしていただきましたが、それほど大きなものではありませんでした。どのような歯でも再生医療の対象ではありませんが、早期の処置は結果の獲得も確実なものとなり、患者さんも大変喜んでおられました。
 再生治療の方法は症例にも掲載しております。

2006年3月1日 4:42 PM  カテゴリー: 未分類