今年最後のインプラント手術

 本日は今年度最終のインプラント手術を行ないます。診療は28日までですが、術後の経過と抜糸までの期間を踏まえて今日を最終日としました。振り返ってみると1年はとても早く感じます。今年も多くの患者様と接することが出来ました、簡単な症例から 難易度の高い症例まで、数多くの患者さんと数々のお話をさせていただき、治療の成果や限界などを説明させていただきました。おかげさまで多くの方々に喜んでいただいたと思います。しかしながらどなたでもオペを喜んで受ける方はいません、患者さんには治療結果を期待して、我慢をしていただいたと存じます。私やスタッフもそのために全力でお手伝いをさせていただいておりますが、手術の翌日に患者さんとお会いして「先生 思ったよりたいしたこと無かったよ」といわれるといつもホットいたします。中には大きな手術をした患者さんは、腫れや 痛みも数日残ることもあります。「大丈夫ですか?痛みませんか?」と尋ねると少し引きつった顔で、笑顔を見せていただき「先生、大丈夫。」と言ってくれますが、結果的に仕方の無い事とはと思いますが、申し訳ないなと心では思い、頭が下がります。「数日で痛みや腫れは、必ず取れますよ」と言って1週間ごの抜糸を待ちます。そのときには患者さんすっかり、痛みも無く、腫れも引いて、いつものにこやかな顔を見せてくれます。また心の中で「良かった。」とつぶやきます。こんな思いを1年間を通じて何回あったかと思うと、事故等も無くて本当に良かったと感謝の気持ちさえ憶えます。何時も緊張の中、細心の注意を払っての処置ですが、絶対ということはありません、そのために術前の診断の為にCT画像も取り入れました、処置中では常に確認の為の診査も行ないます。自分自身の研修も欠かせません。しかしこれでも絶対とはいえないのです。きっと来年も今年感じた事の繰り返しで治療に望むことと思います。そのためにも本日のオペは最も慎重に行なおうと思います。終わりよければ全て良しにしないと、更なる来年の向上は出来ないように思います。そして診療終了後、今日は、1年間、苦楽を共にしたスタッフと、忘年会です。
仲間に感謝をしたいと思います。

2005年12月22日 11:13 AM  カテゴリー: 未分類

インプラント治療は何歳まで出来ますか?

 昨日インプラント手術を行なった、女性は86歳の方でした。この方は30年近くにも及ぶ前からインプラント治療をされていました。私の医院で上前歯に2年ほど前にインプラント治療をいたしましたが、下顎臼歯の古いインプラント、20年以上使用してるそうです。これがだめになって数ヶ月前に除去しました。その部分に再手術を行いインプラントを新たに2本処置したわけですが、最初は取り外しの義歯をお勧めしたのですが、患者さんに「先生、入れ歯なんか嫌です。」とあっさりと断られました。私は 年齢のことや 費用を考えてお勧めしたつもりなのですが、考えてみれば、患者さんが以前から何の為にこのような治療方法を選択してきたか、全く無視した考えでした。この方は いつまでも安心して食事が取れることを望んで 以前からこのような治療をしてきたわけですから「いまさら入れ歯なんて」という思いが強いのだと感じました。患者さんの健康状態は良好な為、ご主人の同意を得てインプラント処置を選択したわけです。
 本日 午前中に消毒に見えました、腫れや痛みもほとんど無く、「先生、全く痛みも無かったですよ」といわれ、私自身、患者様のお顔を拝見して、ホットしました。いつでもそうですが、手術の翌日術後経過を見る為に、患者さんをお呼びするのですが、元気なお顔を拝見すると、安心します。やはり大きな処置なりますと 腫れや痛みが残るものですが、ほとんど方がたいしたことが無いとのご返事をいただけます。これは患者さんに感謝するべきことと思います。
 最近は私が思うことですが、以前はインプラント治療した患者さんが寝たきりになって歯も磨けなくなったらどうするんだということが言われましたが、近年多くの意見ではご自身の歯またはインプラントのように固定された歯があったほうがご病気や高齢になって寝たきり状態になっても、食生活には有利であるという報告も多くあがってきてます。不安定な入れ歯で寝たきりでは上手に食事もとれなのではと私自身も思います。昨日処置した患者さんもきっとそうした思いもあるのではと考えさせられました。

2005年12月9日 11:28 AM  カテゴリー: 未分類

静脈内沈静法の開始

外科手術にとって患者さんの最も嫌がられることは、怖い 痛い、腫れるなどが多いようです。この静脈内沈静法は施術中全く痛みも無く、手術に対する恐怖心も忘れさせる方法です。全身麻酔とは異なり患者さんの意識下の処置で、処置中には会話も出来ます。しかし健忘効果があるため術中のことは忘れてしまう為、手術に対しての恐怖心や不安は残りません。またこの方法は専門の麻酔科の元に行う為、呼吸数、脈拍 心拍数 血圧の管理ができる為とても安全な方法といえます。対象者はどなたにでも可能ですが 処置に当たり術前の問診検査はいたします。眠ってる間、意識はありますが、この状態で目が覚めたら手術が終わってる状態ですので、患者さんのストレスは計り知れなく低いと思います。もちろん外来処置の為措置終了後速やかに覚醒しますので、数分でご帰宅が出来ます。
 当院では患者さんに安心して、インプラントなどの外科処置が出来るように、平成18年1月より本格的にこの処置を導入します。
費用は大学病院麻酔科より医師の派遣をする為約50,000円別途掛かります。手術に対する恐怖心のある方は、気軽にご相談ください。
尚 一般の歯科治療では笑気沈静法をお勧めいたします。

2005年12月8日 10:16 PM  カテゴリー: 最新歯科情報

研修会を重ねて

 今日は本当に寒い日です。あさから小雨でこのままだと小雪に変わりそうな天候の中、BOSTON5の研修会を開催しました。前日の正会員の6人?BOSTON5なのにと思われるかも知れませんが、会結成のとき5人で決定したのでこの名前がつきました。そしてゲストに友人の健造先生夫妻、千早先生 演者の 三好先生、白鳥先生を交え朝の2時まで、歯科治療大好きな仲間たちで技術のことや治療方法などについておお盛り上がりでした。他の話題が無いのかと思えるほど歯科の話題ばかり 今年はインプラント手術何回行なったかとか、どんな薬が効くのとか、外国の研修会に何回行き何を習得したかとかその方法は正しいのかとか・・・・・・・。全くは医者馬鹿の集まりでした。翌日は朝8時30分に会場に行き、研修者の来る前に会場準備、9時半スタートの白鳥先生を待って、いよいよ研修会が始まりです。
彼の内容はデリケートな手術手技会場からは「うまいなー!」の歓声が聞こえそうな見事な仕事ぶりでした。ほんとは私を含め感動のあまり声もでなかったのが本音です。それでも講義の後に質問をさせていただき わかりやすい回答をいただきました。次は歯科医師なら誰でも行う補綴の話を築地で開業してる小川先生からのお話でした。彼の仕事のこだわりも「すごい!」消して妥協しない姿勢を見ることができました。特に若い先生方にはいい話となったのではと思います。自分に甘くすれば、技術の向上など全くで出来ず、今の治療レベルまでどんどん落ちてしまうことになることを先生は言いたかったのではと思いました。とかく今の歯科界はインプラントを代表する派手な治療に先行しがちですが、一つ一つの仕事をきちんと行なうことの大切さを改めて感じた次第でした。
 昼食をはさみ、午後2時から、三好先生の精力的な講演。彼は今最も進化した考えのインプラント治療を報告してくれました。歯の無い患者さんがインプラント手術をしたその日から食事が自分の歯があったように出来るのです。これは本当に朗報です。インプラントの植立本数も従来より少なくて済むことは経済的にも有利ですし、施術の大きさも小さくて済みます。私も来年から導入を検討したいと思いました。追伸ですが先月、三好先生から 彼の主催する講演会で話してくれと頼まれましたが、都合がつかない為お断りしました、先生には改めて声をかけていただいたことに感謝いたします。是非こんど都合が合えば また声をかけていただけたらと思います。
 寒い日にもかかわらず、会場は熱気にあふれ、研修会は素晴らしい3名の歯科医師のおかげで内容のある会となりました。いつもは私たちの仲間も演題を出すのですが、今回は聞き手に回りました。改めて勉強しなくてはと思い、早速来年の活動予定を、講演会終了後メンバーでしました。皆もっと高いレベルを目指そうと意気投合しました。今回はいい刺激となったようです。
来年は審美歯科の第一人者、ロサンゼルスのピーターケイ、モィ先生の審美インプラントの勉強に行こうと、約束をして会場を後にしました。いつまでも熱い気持ちを忘れないでいたいと思います。

2005年12月6日 11:57 AM  カテゴリー: 未分類

国際社会へのかかわり(ロータリークラブ卓話より)

 私のアジア諸国とのかかわりの初めは、歯科ボランティアがきっかけでした。民間の団体KADVO 神奈川海外歯科医療団に大学在籍のころより参加したのがこの団体とのかかわりの最初であります。このKADVOは発足当初は神奈川歯科大学同窓会の有志で結団されましたが、現在では日本の各歯科大学出身者の混合医療団となってます。KADVOの活動も フィリッピンを初め中国、タイへと活動の輪をひろげ、1998年よりタイ国、クロントイスラムを最初に50名に及ぶ歯科医療団を毎年タイに派遣し、貧困の地域での歯科治療を行いました。私は2003年~4年の2期にわたりKADVOタイフリークリニックの実行委員長を任され、バンコク西北約170kmに位置する、カンチャナブリ地区での歯科医療活動を行いました。
このカンチャナナブリ地区は「戦場にかける橋」で有名となった場所で、タイでも景勝地と知られ毎年日本人を初め多くの観光客が訪れる場所でもあります。しかしながら此処の地域の農民たちの収入は低く、月収で約3,000B、日本円で約10,000円程度であります。歯科医療はといえば、抜歯で1歯500円、虫歯の詰め物で焼く1,000円、歯石除去で3,000円では到底歯科治療などうける余裕もありません、このような地域で少しでも歯科治療の必要性認識と、予防活動を行なうことでタイ国内での口腔衛生の向上に寄与する為に歯科治療活動を行っている次第です。しかしながら実質2日間程度の日程しか取れない為に決めの細かな治療が出来ないのも現状です。2004年9月に行なわれた無料歯科治療では1日約1000名の以上の患者さんが見え、遠方からトラックやバスに乗って多くの子供たちや大人がやってきました。現地での医療関係者は日本人歯科医、医療関係者他タイ人歯科医、ボランティアを含め約200名程度のスタッフで行なわれました。治療場所としては小中学校の講堂、日本の体育館のようなところで、簡易診療室をつくり行ないます。イメージは野戦病院の様です。
此処の中は冷房もない為役40度近くにも及び日本人スタッフは不慣れな場所と、環境でいつも汗だくになって治療を行います。そのため疲労も重なり長時間の診療には精根尽きますが、いつもその疲れを癒してくれるのは現地の子供たちの明るい笑顔と感謝の気持ちです。此処に来るたびいつも思うことですが、日本人が忘れかけたものに出会えるような気持ちになります。
人に感謝する心、未来を希望する瞳、貧しい環境ですが、此処には未来があるようです。そんな気持ちにさせてもらえるタイの歯科治療ですが、2004年にカンチャナブリロータリークラブの方々も手伝いに来てくれたことよりこのとき、調布ロータリークラブのバナーを交換しました。これがロータリアンとしての最初のかかわりの一歩でした。
 2004年12月26日 スマトラ沖地震の発生でタイの沿岸地域は大変な打撃を受けました。今期私は国際奉仕委員長を仰せつかり、この津波に見舞われたタイに人たちの為に支援を行ないたく、マッチンググランドの計画を立て、カンチャナブリロータリークラブと合同事業「クリーンウォータープロジェクト」を計画しました。これは被災地へ 浄水器の設置を行なうものです。このため今年11月に本会の福沢会員と共に カンチャンブリロータリークラブ、国際奉仕委員長と面会し、事業実現に向けて協議してまいりました。この事業は調布ロータリークラブの始めてのマッチンググランドでもあり、私自身大いに期待するものであります。今後ともこの津波支援事業の実現に向けて現地との協議を続けていくところです。
 

2005年12月1日 11:51 AM  カテゴリー: 院長報告