インプラント学会認定医の歩む道

 11月26日、27日は 日本口腔インプラント学会地方部会が池袋サンシャインプリンスホテルにて開催され、友人と参加してきました。目的は認定医更新講演会を聞きにいく為でした。その内容は多義にわたるものでしたが、最も興味を引かれたことは、諸外国のインプラント事情で、特にオランダでは健康保険の一部にインプラント治療が導入されてることでした。総義歯の患者さんにインプラントを使用することで大変使い安い義歯が出来ることは私も多くの症例で経験済みです。このような治療方法を既にオランダでは健康保険の適用になってることだそうです。もちろん歯科医なら誰でもこの方法を保険で適用が出来るのではなく、学会や国で認定した歯科医のみが出来ることのようです。日本ではいまだインプラント治療は保険適用外ですが、高齢化社会を向かえ患者さんの生活の向上を考えたとき、食生活の要素は大変大きな問題です。幾つになっても自分の歯で食事をすること、また口の中で固定された義歯で食事が出来ることは最も基本的な人が人間らしく生きていく為の行動ではと思います。日本で口腔インプラントが保険に導入されれば、多くの方に朗報になると思います、そのためには知識や研修を積んだ歯科医師でなくては、保険を利用したインプラント治療が行なえる資格を得られないのではないかと思います。今日の学会でも認定を目指してる多くの先生の発表がありました、私のように既に認定を持ってる先生方も多く来てました。この学会も財団法人となって、認定の資格基準が厳しくなりましたが、将来 国が認めた高度医療のできる資格確保の為には 私たち学会員の更なるレベルアップは必修だと思います。今、日本では医療費抑制の方向に向かってます、口腔インプラントが保険適用になるにはまだ時間がかかることと思います、しかしながら医療費抑制のパラダイムの中で国民にとって必要な治療は削減されることは無いと思います、また新たに導入されてくる医療方法もあると思います。その中の一つに口腔インプラントの保険適用も含まれることを希望する次第です。

2005年11月27日 8:49 PM  カテゴリー: 歯科技術情報

友人のインプラントオペ(歯科治療のトラウマ)

 先週の土曜日に港区六本木で開業してる、友人のK歯科医師のインプラントオペを行ないました。とても勉強熱心なK先生は多くの勉強会にも参加し、インプラントをご自身も行い 土地柄 審美歯科も多く行なってる方です。その彼が私に是非インプラント治療をしてほしいということになり 私に依頼がありました。彼とは一緒に 海外歯科ボランティアーにも行ってる中なので快諾し、オペへの運びとなりましたが。
此処で問題がありました・・・。
彼は若くして高血圧症のため オペ前に全身管理の為モニターを装着したところ、とても手術に対応できる血圧ではありませんでした。本来なら手術中止ですが、彼からも是非 行なってほしいということで、舌下投与による降圧剤の使用で血圧のコントロール下によって行なうこととしました。また彼は麻酔薬に含まれるエピネフリンの感受性が高く、この薬を含む麻酔薬でのオペを拒んでいました。一般的にはエピネフリン含有の麻酔薬を使用することは非常に有意義な為用いますが、今回は少しためらいました。しかしながら血圧の変動を観察してると、彼が言うようなことはなく、エピネフリン含有の麻酔薬でも全く 心機能に影響はありませんでした。この原因は彼が以前歯科治療を受けたときに麻酔による痛みの為 迷走神経反射による心機能に負担をかけたことが過去にあり その結果この薬を使うことがトラウマになってことと思えます。現実K先生は術中全く心臓の圧迫などは感じなかったといってました。こんなことは初めてだとのことでした。よく 薬物中毒のことが麻酔薬では言われますが基本的にその確立は非常に低く、まず麻酔をした後気分が悪くなるのは薬の性ではなく、麻酔の仕方によって患者さんの状態は変化があるようです。特にこれから手術をすることだけで血圧の上昇や緊張もある状態で、痛みを伴う麻酔の方法は大きなストレスを生むことになり、この痛みによる迷走神経反射は副交感神経を優位にするため急激な血圧低下を引き起こします、顔面は蒼白になり心拍数も減少により気分も悪くなり、抹消ではチアノーゼも生じます。このようなことが起こると、次の機会にまた麻酔をするようなことになると、その経験がトラウマとなるのです。話は飛んでしまいましたが、K先生の場合も以前の麻酔の為に不愉快な思いが あった為麻酔をするような行為に対して身体が過剰な反応をしたために、術前の高血圧が発症したものと思われました、その証拠には術中、異常出血など全く見られず、術後出血 腫脹 痛みなどは全くなかったこととの報告でした。

2005年11月22日 5:41 PM  カテゴリー: 未分類

BOSTO5東京例会のお知らせ

 平成17年度BOSTON5東京例会を12月4日 日曜日 日本先端歯科医療研究所 東京事務所にて開催いたします。今回の講演は 現代歯科インプラント治療のトレンド的な講演となります。講演者は交友関係の先生たちにお願いいたしました。
午前9時からはクラブ22の白鳥先生 小川洋一先生、午後にはDC21代表三好先生にお願いし、骨増大処置から オールオン4にいたるまで、インプラント治療、適応の拡大処置における内容の講演を行ないます。
 参加費 10,000円昼食付
ご興味、参加希望の方は村田までご連絡お願いいたします。BOSTO5例会はどなたでも参加できる会ですので、歯科医 歯科衛生士、歯科技工士の方遠慮なくご参加ください。
問い合わせは 当院のホームページ問い合わせ欄へお願いします。

2005年11月16日 5:43 PM  カテゴリー: 未分類

治療後の前歯等の歯茎の黒変について

 よくある質問について報告いたします。以前治療し、セラミック等の冠を装着した部分の歯茎の黒色変化や歯茎に退縮について、どうしてこのようになるのですか?またどのような処置がありますかとの質問を多く寄せられます
 歯茎の黒変対する対応と健康で美しい口元にために
その原因は不適冠による場合とし使用材料によることが多いようです。いくらセラミック冠で作られていても、その内部は金属で骨格を作っているものがほとんどです。この金属の色やイオンの流出で黒色に見えることが多いのです。さらに歯肉の萎縮が歯と冠の境目の露出を招き黒く見えることもあります。このような場合は、その冠を取り外し新しくする方法しか手立てはありません。いくらレーザーなどで歯肉を処置しても根本的な対策ではないのです。では処置した歯は全てそうなるかといえば、そうとも言いがたいと思います。適切に歯周病の管理と高精度な適合、そして材料の選択でかなりの確立で長期に安定した処置が出来ると考えます。また歯と歯との隙間に関しては適合の良い冠の装着で健康な歯肉の成熟によりその間隙が満たされます。天然歯の歯肉と歯の調和を見てください、きっと人工的な歯が装着された状態とは違うと思います。現在の審美歯科は綺麗な歯を作って入れる事だけでなく、天然歯に見られる。歯と歯肉の健全な調和を再現し、あたかも自然の歯が再現されたような状態を作り上げることなのです。
それには厳選された材料と高度な技術も必要となってきます。また患者様の意識の向上も必要かと思います。歯と歯肉の関係は大変デリケートです。不適切な歯磨きもそのバランスを壊す要因です、また歯周病の進行はさらに状態を悪化させる大きな要因です。いくら高価な治療を行なっても術後の長期安定は
、正しい口腔ケアーが必要であることは言うまでもありません。

2005年11月12日 5:33 PM  カテゴリー: 未分類