正しいインプラント治療 その6 手術について

 患者さんからインプラント手術に対しての不安や心配についていくつかの質問をいただきます。
1 手術は何処で行うのですか?入院は必要ですか?
 何人かの患者さんは手術というと特別な場所 大学病院などの大きな外科室で行うものかと思う方もいます。歯科インプラント手術の場合、多くのクリニックでは通院してるクリニックで行われる事が大半だと思います。もちろん インプラントは通常の歯科診療とは異なるために、外科のための器具 器材の 消毒や滅菌をしたうえで行う事は言うまでもありません。当院などでは 手術用の器具 器材の完備した部屋を準備しているために 手術に関してはそこで行なうようにしてます、しかし大きな病院の外科室を想像するようなものではありません。大学病院で行なうような大きな骨移植などの手術以外では、インプラント手術での入院はありません。もちろん翌日から通常の生活が出来ます。
2 手術の時間はどのくらいかかりますか?
 インプラントは手術の大きさや内容によって時間は様々です。骨を増大するような大きな処置では1時間、またはそれ以上かかる事もあります。しかし1本から2本程度の単純なインプラント植立手術でしたら、30分もあれば全て終了いたします。
3 麻酔ですが 全身麻酔ですか?
 通常インプラントの麻酔は 部分麻酔と言って 歯を抜歯するときと同じ処置です。したがって患者さんの意識は通常のままですので 痛みなどはブロックできても骨を削る振動などは感じる事はありますが、手術中は痛みなどは心配ないと思います。また不安の強い方や血圧や心拍数の管理をしたほうが良い患者さんは静脈内鎮静法と言って、半分眠った様な状態で行う事も進めます。手術に対して不安の強い方は、安心できる方法だと思います。
4 手術後の腫れや痛みはどうですか?
 患者さんが最も心配することだと思います。術後の痛みは外科手術の特性で避ける事は出来ないと思いますが、ほとんどの方は痛み止めで抑える事ができます。腫れですが、これも大きな切開をすれば腫れは大きくなりますが3ないし4日ごろには治まってきます。私どもでは大きな手術で腫れや痛みを抑えたい患者様には静脈内鎮静法の後に腫れ止めや痛み止めを用いる事で術後の不快感を軽減しています。但し 数本のインプラント手術に関しましては、そのような事も必要ないと考えます。手際に良い手術は腫れや痛みも軽減できると考えます。
5 手術後の注意点は何がありますか?
 どのような外科手術でも一緒で、抜歯のときと同じです。過度な運動や 飲酒は当日控えていただきます。禁煙をお願いいたします。入浴も当日は避けてください 出血や疼痛の原因になります、翌日からは通常の生活で結構ですが 定められたお薬はお飲みいただきます。術後1週間程度で抜糸するまでお口の中を清潔に保つようにしますが、毎日の飲食は通常のものでかまいません。

2010年2月13日 11:05 AM  カテゴリー: 未分類

インプラント専門医の集まり

 明日は水道橋の日本歯科大学で開催される インプラント専門医の学会に行ってきます。OJと言って
OSTEO INTEGURETION STADY OF JAPANの年次学会です。私も随分と前ですがこの学会でインプラントの症例を発表しました、300名近くの専門医の中での発表はいささか緊張した覚えがあります。この学会で一度発表すると正会員になり、新しく発表される先生方の採点をする事となります。最近歯若手の熱心な先生方の素晴らしい症例も多数あり、私自身大変勉強になるために参加を楽しみにしてます。しかし 最近思う事ですが歯科治療は本来患者さんのためにあるものですが、学会発表の症例は少しやりすぎな治療も見受けられます。此処まで患者さんは求めないだろうなと思う事を、どうだいとばかりに発表してくる、先生もいます。治療のゴールは難しいものがありますが、あくまでも患者さん主体な治療を行う事が臨床医の役目ではと思うのです。

2010年2月10日 11:45 AM  カテゴリー: 医院長のひとり言

ヒーローとヒール

 昨日朝青龍の突然の引退をTVで見た。角界では新しく理事になった貴乃花の選挙での混乱や昨年来の力士の大麻吸引や傷害事件など多くの不祥事で頭の痛いところ、そこに来て今年、場所中の朝青龍の暴行事件と話題に尽きない。大相撲を運営する理事会としては、頭の痛いところであった事と思う。昨日の引退記者会見を見た方は平成の大横綱の引退を惜しむ声も多かったのではと思う。彼の業績は歴代3位まだ29歳の年齢を考えれば偉大すぎる結果だと思う。このまま継続すれば歴代1位の成績も成し得たかも知れない。モンゴルの国民は彼をヒーローだと思っているだろう。しかし横綱としての品格としてたびたび厳重注意を受けてきたのも事実である。さすが今回は厳重注意では済まされない結果となった。大変残念なことだと思うのはきっと多くの相撲ファンのなかにたくさんいると思う私もその一人である、彼の無邪気な子供っぽい性格も魅力的である、優等生的でない人間性も魅力的だと思う。しかし最後にはヒールとなって角界を去ることとなった。最後の記者会見で見る朝青龍は大人の受け答えをしてる事が印象的だった、それがとても寂しい気持ちにさせたのである。

2010年2月5日 11:51 AM  カテゴリー: 未分類

治療費価格表見やすくしました

 治療費や治療方法を知りたい ご自身にあった治療方法はどのようなものがあるのか、歯科の表示の用語は良くわからない メタルボンドって何? ラミネートベニアってどんな方法?こんな声も多く聞きます。少しでも患者様にわかりやすい表示としました、ご自信の口の状態を症例写真から、治療費用を知りたいときは価格表からおおよその判断が出来るかと思います。詳しくは診査診断後、治療費お見積もりをご提示します。お気軽にご相談ください。
 院長

2010年1月22日 11:14 AM  カテゴリー: 未分類

正しいインプラント治療 その5 インプラントの即時荷重って?

即時荷重とは 近年のインプラント治療でインプラント手術を行った当日から仮歯を入れて噛めるようにするという処置方法です。十数年前には考えられない事です。確かにこの方法は歯が無く困ってる患者さんや 義歯の不具合を持っている患者さんには朗報だと思います。このような事が可能になった背景には インプラント手術の変遷やインプラント体の形状や表面構造もスムーズなものからラフな構造などにより インプラント埋入初期から強い骨との接合が得られる様になった事が大きな要因だと思います。また早期に骨に加重を掛けることが骨の形成を促すという研究報告もあるようです。しかしどうでしょうか いくら材料や構造体の進化や技術進化があったとしても 生物のからだを構成する細胞の代謝サイクルは早まったのでしょうか?骨を作る細胞はスピードが増したのでしょうか?答えは NOです。では即時負荷は誤った方法でしょうか?これもNOですが、即時負荷が出来るか否かは 術者の感覚で判断することしか出来ないのです。何の基準も無いのです 当然です。インプラントは人工物ですが 受け入れる相手は生き物ですから 個々の生体に差があります、骨の状態も異なると思います。また手術後は患者さんの噛む力のコントロールが出来ません、いくら硬いものを噛まないでくださいと言っても 痛くなければつい噛んでしまうでしょう、術後のことロールの難しさも即時負荷の問題点です。即時荷重インプラントはうまくいけばほんとに素晴らしいものだと思いますが、術者の経験、技量によって成功か否かが決まる、両刃の剣だということも忘れないようにしたいものです。
追記
 ここ数日のTV、新聞の報道で心無い歯科医師のインプラント報道がされています、真摯にインプラント治療を行なってる多くの歯科医師たちには大変迷惑なことです。多数の症例を行なってる医療機関は確かに技術や経験で1日の長があるはずです、おおくの知識も蓄積されてる事と思います、しかし今回の報道のような医師の倫理のかけらも無い歯科医もいること 大変残念な事だと思います。今回問題視されてる歯科医師の知識や経験をもっと、良い方向に向ける事が出来なかったのかと思います。

2010年1月19日 5:46 PM  カテゴリー: 未分類

正しいインプラント治療 その4 前歯編

 今週前歯の欠損で来院された患者さん インプラント相談でした。御自身の歯の根が割れて、抜かなくてはならずに インプラントを考えたいとの事でした。まだ若い女性のために取り外しの入れ歯は考えられないとの事、ではインプラント以外の方法はブリッジがありますが 患者さんは隣の歯も心配なので独立した方法が良いのではと思っていました。この考えは賛成できますが、たとえ欠損した部分をインプラントで治しても隣の歯の根に問題があるとしたら 埋め込まれたインプラントまで影響を与えることとなります。隣の歯が心配ならそれも治療対象となります。結局欠損した両隣の歯を処置するなら インプラントでなくて ブリッジも適用となります。両隣が健康な歯なら欠損した部分だけで処置できるインプラントは効果的な処置と考えます。しかし前歯は奥歯に比べると非常に薄い骨で支えられてます。歯を抜くとその薄い骨が吸収してきて歯茎がやせて来ます・これがインプラント治療を難しくする要因です、このことはインプラントを入れてからも生じる現象ですので、せっかく高価なインプラント治療をしても・・・・・・・・・・・・・
審美的問題が発生したら何にもなりません、この点ブリッジはこのような結果にはならないために、総合的な判断の上に決定すべき場所なのです

2010年1月7日 6:14 PM  カテゴリー: 未分類

正しいインプラント治療 その3

インプラント費用について
 最近インプラント10万円とか 格安インプラント10万円台からとかの広告を見かけるようになりました。本当にそんな価格で出来るのでしょうか? 患者様は インプラントをしたくて歯科医院へ来院するわけではないと思います。歯が欠損したり、口の中に問題を抱えて来院され、その解決方法としてインプラント治療もひとつのオプションとして存在します。今日では 患者様もインプラントと言う言葉は御存知ですが インプラントはあくまでも人工の歯を支える為の骨の中に埋め込む金属の支えです。当然これだけでは 噛むことも、歯も入りません。
インプラント費用10万円   何の金額でどこまでの処置なんでしょうか?手術費用の表記でしょうか?
かぶせる冠代金も含まれるのでしょうか?。。。。。。。。
通常 インプラント料金は 人工の歯とインプラント本体の材料費 手術関連代金 を含み その後の保守費用まで含んだ金額を提示してることが多いように思います。セラミック冠やそれと同等の材料で仕上げた場合 一般的には30万から40万前後ではないでしょうか、しかしインプラントを行うにはその支える部分の骨の状態によっては骨の増大処置など。特別な外科処置も必要となることもあります。 それにより 処置費用も変わると思います。
インプラントの価格はわかり難いことがあります、もしインプラント治療が必要な場合は、総額を尋ねて、説明を聞いて、納得した上に処置をする事が肝要です。

2009年12月28日 9:51 AM  カテゴリー: 未分類

電話一本 特別なことですか??

 先日 歯科医師会の仲間の忘年会があった。土曜日の夜だったので、宴会の途中だったが 昼間抜歯した患者さんへその後の確認のために電話をした時のこと、仲間の先生から、何の電話なのとの問いでした。私は休日前やインプラントなどの外科処置をした患者さんへは処置の夜必ず、具合の確認の電話をすることにしてます。血が止まりましたか?痛みは大丈夫ですか?など問い合わせします。それを聞いた仲間はへー!そんな事するんだとの事 先生はまめだねと言われました。この習慣は私の父も休日前の外科処置で同じように患者さんへ必ず連絡してました、患者さんのなんでもないよ 大丈夫ですよの言葉に安心して休日を過ごせたことと思います。私も歯科医となってから父の習慣を真似し、患者さんが困ってないかの確認をとるようにしてます。患者さんの元気な声を聞くと私も安心できます。もし困っているようなら そこで指示を出すことで、患者さんも安心される事と思います。決して特別な事ではないんです。

2009年12月22日 11:57 AM  カテゴリー: 未分類

正しいインプラント治療 その2

歯の欠損=インプラント?? 正しい選択でしょうか?
確かにインプラント治療による処置はまるで御自身の歯が再製したような処置も出来るようになりました。しかし チタンと言う人工物を生体が受け入れ、安定している状態を長く保つには、インプラント周囲の骨の状態や歯周組織 の状態がとても重要なんです。一般に歯が抜けると、その歯を支えていた骨 歯槽骨と言いますが なくなっていく運命になっています。これは 発生学的にも歯の赤ちゃんが出来た部分に歯槽骨が存在し歯の成長とともに歯槽骨も歯を支える為にその容積を増していきます。したがって歯が抜けるとその歯槽骨も役目ガ終わり少しずつですが吸収されてくることが生理的な現象です。特にその傾向は前歯に顕著に起こります。元々前歯は薄い歯槽骨で歯が支持されてますから 吸収も早いんです。特に前歯にインプラントを行う場合は抜歯後骨の吸収が安定してから行うことが安全だと思います。または薄い骨がなくならないように吸収しにくい材料を用いること必要かと思います。このことはインプラントを支持する骨の幅と高さを得るばかりか 審美領域での歯肉の形も維持する為には骨量はとても重要なんです。奥歯に関しては比較的厚い歯槽骨により歯は支持されてますこれは臼歯部は元々大きな咬合力を受けているためにその力を受けるために生体は頑丈な構造となったものと考えられます。このことはインプラント治療にとっても有利に働きます、すなわちインプラント周囲には厚い支持ことが存在するためにインプラントが堅牢に支えられることを意味します。ただし常に大きな咬合力を受ける臼歯ですからインプラント処置の設計は前歯とは別の設計上の力学的配慮が必要となります。

2009年12月21日 4:51 PM  カテゴリー: インプラント関連

正しいインプラント情報

 他歯科医院からの転移の患者さんからの訴えです。奥歯のブリッジが外れて、支えてる歯がだめになったので抜いてインプラントにしましょうと言われたそうですが、ご本人は他に方法は無いのですかと尋ねたそうです。担当医いわく、インプラントが最良ですねと他の選択の治療は言ってくれなかったのことです。患者さんは経済的な事、外科的手術の事 不安になり来院されました。確かに欠損の状態を見るとブリッジの再処置は支える歯が相当痛んでるために抜歯を必要とする歯でした。此処での選択はブリッジの治療は無理だと私も判断し説明させていただきました。ではインプラント以外の治療方法は無いかといえば、通常取り外し式の入れ歯の選択があります。患者さんは入れ歯についても不安があり どのようなものが入るか、また使い勝手はどうかとこれはこれで不安もあると思います。ではつぎの方法はというと 少し乱暴ですが 何もしないというのも考え方だと思います。欠損を放置する事は問題を起こす事もありますが、欠損の場所によっては処置を無理にしなくても良いとも思います。
 この患者さんの場合、処置としてはブリッジを支える最後の歯が欠損したこと、遊離端欠損の状態、
顎骨に十分な高さと幅もあること、かみ合わせの高さが十分取れる事、まして患者さんが健康でいる事から処置としてはインプラント支持の歯をつこる事は適応と思いましたが、この事は遊離端欠損を除けば入れ歯を作るにも条件が良いということにもなります。確かに現在のインプラント治療は正しい診査と確かな技術を持った歯科医が行なえば患者さんにとって快適な治療方法を提供できる事と思います。しかし 全ての患者さんが受け入れられる治療方法ではない事も事実です。経済的な面も考慮する要素だと思います。当然私たち、歯科医の技術も高くなくてはいけません。しかし、最も重要な事は患者さんにインプラント治療の利点欠点をわかってもらう事がとても大切な事だと思ってます。

2009年12月12日 10:38 AM  カテゴリー: 未分類