患者さんと対面して話が出来るように

 先週、5台ある診療台の1台を取り除きました。診療台の下の床は機械の赤錆で染まり、時代の流れを感じました。診療室が出来18年、2代目の診療ユニットから10年目たった床の色です。リムーバーでこすっても、床に染み付いた赤錆は取れませんでした。今度この場所に、患者さんと治療相談が出来るカウンセリングコナーを作ります。いつもは診療ユニットに座った患者さんの横でレントゲンや模型、鏡を持って説明をしてますが、もっと具体的に、わかりやすく治療方法などをお話する為に、この場所を利用します。床は一部張替え、テーブル、椅子を置き、パソコンのモニターでCTの3次元画像による手術シュミレーションや模型、写真を説明用ツールとして患者さんと対面した形でコンサルテーションを出来るようにしたいと思っています。患者さんと対面して話を出来る、環境を以前から作りたいと思っていましたので、やっと実現できる事となりました。特に初診の患者さんには、治療を始める上で術前の説明や患者さんからの質問に答えることはとても重要で、より良い治療結果を得る為には欠くことのできない事です。しかしこの1台の診療台の存在は大きく、4台となった今では歯科衛生士と私と診療台の取り合いとなってしまい、患者さんの予約にも影響が出てくる状態です。しばらくするとその状態からも脱することと思いますが、早く新しい環境に準じた診療体系を作りたいと思ってます。

2006年11月28日 4:18 PM  カテゴリー: 一般的な歯科情報

近代オールセラミックス修復

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 近年のセラミックス修復には目を見張るものがあります。一つには新たしい材料の登場によるメタルを全く使用しないメタルフリー修復を可能とした、酸化ジルコニアの登場にあります。従来オールセラミックス材料は酸化アルミナが主成分でしたが、このジルコニアの登場で著しい強度を持つことが出来ました。このことは大きなブリッジワーク処置が可能となったことや インプラントの支台部分の製作、上部構造体の製作を可能とし、ジルコニアの性質は生体に対して高い安定性の為歯肉の炎症などは全くないようです。元々セラミックスは最も安定した材料の為、プラークの付着も少ない為に歯周病に対しても有効な素材と言えます。更に最近ではこのセラミック素材を巧みに使いこなせる技工士さんの登場で、従来では想像もつかない、冠やブリッジの上部構造ができるようになりました。最も再現の難しい1本の歯を作る場合、両隣の歯の細やかな形態や色調を再現するには大変な作業です。これを患者さんの口腔内を見ずに再現するには、近年のデジタルカメラによる情報も欠かせません。また、どんなに素晴らしい技工が出来たとしても精密な印象や形成は私たち歯科医が提供しなくては、本末転倒です。上記の写真は当院での実際の治療です。幾つかの材料と製作法により審美性の高いオールセラミックス処置が出来たと思います。
画像の EMPRESSやジルコニアはセラミックス冠の材料の種類です。光の透過性を重視したい場合等によって使い分けします。

2006年11月21日 9:21 AM  カテゴリー: 歯科技術情報