患者さんの我慢に支えられてる歯科治療
よく歯科治療の話ででてくることで「痛かったら左手を上げて知らせてください。」と治療のとき歯科医が患者さんに言うことですが、この時手を上げた患者さんに私たち 歯科医はすぐに治療を中断して痛みを和らげることをしないで「もう少しですから頑張ってください。」というのは、何か変ですよね。
本当は 治療を中断して、患者さんの苦痛を取ってあげなくてはならないのに。何のための合図か・・・・。私も日常の診療でこのような、良くも 悪くものの会話で 患者さんと接してることが多いように思います。今から10年以上の前の歯科治療は この典型で治療は痛いもの、患者さん我慢して当たり前 こちらは見てあげてるんだというような風潮が歯科医療にはあったような気がします。もちろんその中でも優しく、親切な先生も沢山いたことですが。私の父も歯科医でしたのでよく父の仕事も見てましたが、そのころは 患者さんの数も多かったこともあるのか、2時間待たせて5分の治療(私の感想ですが、今では考えられない・・・。)で、一日一人で100人 治療したとよく豪語してました。麻酔の注射は 一気に注入して薬が、風船のように歯肉を膨らませていることもあったようだった。もちろんこれは痛いこと間違いなし!、でも患者さんは じっと こらえている。女性の患者さんなどは 涙目になっていたこともあった。確かに今でも麻酔の注射は針も細くなり、機械式の麻酔器の使用で 格段に痛みを感じなくなってきたが、痛みが0ではないのも事実である。父の麻酔に比べれば 格段に痛くは無いと自負してるのだが やはり 患者さんによっては痛みをこらえてもらっていることもある。申し訳ないと、心で 謝ることにしてます。他の医療でも最も嫌われるのが歯科治療と思われてるようだ。確かに痛みは 私自身も嫌である。でも他科の治療だって 痛みを伴うことだってあるはずある。ではなぜ?歯科ばかり嫌われるのかと考えると一つには 歯科は外科系に分野、切った 貼ったが日常的に行われてること。2つに頭に近い場所 不快感が伝わりやすい。3つに 何をやってるか患者さんからは見えない。この三点が大いに歯科治療を嫌なものしてるのではと思うのである。では 患者さんに必要以上の我慢をしてもらわなくて歯科治療を行うには、一つに歯科医が 歯科治療が不快感のある治療だと認識することがとても大事だと再認識すること。2つにできる限り リラックスできる環境で患者さんと接すること。3つに 良い機材、材料を惜しまず使用すること。4つに十分な時間を持った診療体系を作ること。
私の 反省と目標です。何時までも患者さんの我慢に支えられた歯科治療のぬるま湯に使ってるわけに行きませんので。
2005年9月14日 12:20 PM カテゴリー: 医院長のひとり言