友人のインプラントオペ(歯科治療のトラウマ)
先週の土曜日に港区六本木で開業してる、友人のK歯科医師のインプラントオペを行ないました。とても勉強熱心なK先生は多くの勉強会にも参加し、インプラントをご自身も行い 土地柄 審美歯科も多く行なってる方です。その彼が私に是非インプラント治療をしてほしいということになり 私に依頼がありました。彼とは一緒に 海外歯科ボランティアーにも行ってる中なので快諾し、オペへの運びとなりましたが。
此処で問題がありました・・・。
彼は若くして高血圧症のため オペ前に全身管理の為モニターを装着したところ、とても手術に対応できる血圧ではありませんでした。本来なら手術中止ですが、彼からも是非 行なってほしいということで、舌下投与による降圧剤の使用で血圧のコントロール下によって行なうこととしました。また彼は麻酔薬に含まれるエピネフリンの感受性が高く、この薬を含む麻酔薬でのオペを拒んでいました。一般的にはエピネフリン含有の麻酔薬を使用することは非常に有意義な為用いますが、今回は少しためらいました。しかしながら血圧の変動を観察してると、彼が言うようなことはなく、エピネフリン含有の麻酔薬でも全く 心機能に影響はありませんでした。この原因は彼が以前歯科治療を受けたときに麻酔による痛みの為 迷走神経反射による心機能に負担をかけたことが過去にあり その結果この薬を使うことがトラウマになってことと思えます。現実K先生は術中全く心臓の圧迫などは感じなかったといってました。こんなことは初めてだとのことでした。よく 薬物中毒のことが麻酔薬では言われますが基本的にその確立は非常に低く、まず麻酔をした後気分が悪くなるのは薬の性ではなく、麻酔の仕方によって患者さんの状態は変化があるようです。特にこれから手術をすることだけで血圧の上昇や緊張もある状態で、痛みを伴う麻酔の方法は大きなストレスを生むことになり、この痛みによる迷走神経反射は副交感神経を優位にするため急激な血圧低下を引き起こします、顔面は蒼白になり心拍数も減少により気分も悪くなり、抹消ではチアノーゼも生じます。このようなことが起こると、次の機会にまた麻酔をするようなことになると、その経験がトラウマとなるのです。話は飛んでしまいましたが、K先生の場合も以前の麻酔の為に不愉快な思いが あった為麻酔をするような行為に対して身体が過剰な反応をしたために、術前の高血圧が発症したものと思われました、その証拠には術中、異常出血など全く見られず、術後出血 腫脹 痛みなどは全くなかったこととの報告でした。
2005年11月22日 5:41 PM カテゴリー: 未分類